最近、私、お客さまの縮毛矯正の施術においてミスをしました。
その内容と原因、今後の対策をまとめます。
(申し訳ありません。縮毛矯正のミス)
失敗の内容
根元のクセの伸びが甘い
施術が終わった時点では、仕上がりに問題は無く見えましたが、お客さまご帰宅の後、翌朝と、鏡を見たところ、
「根元のくせが少し気になっています」
と、ご連絡を頂き、再びご来店頂きました。
詳しく見たところ「クセが戻って」きており、結果として私の施術ミス。すぐにお直しをさせて頂きました。
(根元の伸びが甘いというミス)
施術時のお客さまの髪
- 白髪染めをしている
- 縮毛矯正を継続(今回、3ヶ月半ぶり)
- 薬剤にダメージを受けやすい
- 強いくせ
- 毛量、多い
- 矯正の合間にカラーをしている
という条件の髪で前回に引き続き、矯正を担当させていただくのは今回が2回目。
薬剤のダメージに非常に敏感な髪のため、施術にもとても繊細な判断が求められます。
前回の施術を踏まえ、今回、更に工夫を加えて臨んだ結果「伸びが甘い」というミスになりました。
失敗の原因
初めにつける薬の取り扱い
ここにミスの原因がありました。
縮毛矯正では、一番最初に「髪の毛をトロトロにする薬剤」を使います。その後でアイロンで伸ばしていく。
この初めに使う薬の
- 強さ
- 塗る量
- 置く時間
を加減して、髪に対して最適なパワーで矯正をすることで、より良い仕上がりを目指します。
そして、「最適なパワー」は髪の条件によってバラバラ。人によってはもちろん、同じ人の髪でも部分ごとに「最適なパワー」は異なります。
(私の見極めが、不十分でした…)
今回の場合を図で解説
ちょっとこちらを
一本の髪の毛だと思ってください。左が根元の、右が毛先。
根元の方から、三ヶ月半のびた分だけくせがあり、その先は既に「矯正とカラー」が、そして
クセの部分の約半分ほどは、「カラーのみ」がされている状態です。根元は「何もしていない」。
この、3つの
- 何もしていない
- カラーのみ
- カラーと矯正
がされている部分に必要な薬の「最適なパワー」はそれぞれ異なります。図のように根元から、「強」「弱〜中」「つけない」というように、私の方で加減をしました。
もう一度見て見ましょう。
そして、この髪がお直し前の状態はこうなっていました。
つまり、
「カラーのみ」されている部分には十分だったものの、「何もしていない」部分がのびるには薬剤のパワーが少し不足していました。
この2つの部分に必要な「最適なパワー」の差が、私の予測より開きがあり、判断を見誤りました。
その為に、「根元の部分だけくせが気になる」状態になってしまいました。
通常、縮毛矯正は「根元が折れる」ミスを防ぐ為、頭皮近く1センチは外して施術します。
くせの強い方は、その部分のくせがどうしても残る為、正しく施術された場合でも根元1センチほどのクセが気になる場合もあります。
が、今回はそれを差し引いたところで、のびの甘さがあった為、私の「ミス」と判断しお詫び申し上げ、お直しさせて頂きました。
今後の対策
先に触れた髪の部分ごとの「最適なパワー」の見極めを、より慎重に行います。
最初に使う薬の塗布は、「時間との戦い」も大きな要素です。一番最初と最後につけた部分に、少しでもギャップをなくす為。
(本当にスピード大事)
その時間的な制約と、この度のお客さまの髪の薬剤に対しての敏感さとを考慮した時に、具体的には部分ごとの
- 異なる強さの薬の塗り分け
ではなく、
- 塗布量と、塗布するタイミングを少しズラしての置き時間の加減
によって、今回を踏まえた上でのそれぞれに「最適なパワー」を目指す方が現実的な改善策ではないかと、今は考えます。
(とは言え、この辺りは施術時に現場で臨機応変に判断していきます)
(より慎重な薬剤の取り扱いを…)
お客さまには、二度手間を踏ませてしまいとても申し訳なく思います。長いですしね…施術時間も…。おまけにお直しの日は大雨の中…。
また、言いづらかったかもしれないことを、ご連絡頂いたことにも感謝いたします。ありがとうございます。
失敗を記事にする理由
ブログを発信していると、そこから新しいお客さまとの出会いもたくさんあり、わざわざ失敗を記事にすると自分にとって不利益ではないかと思われがちですが、そうじゃないです。
私は、
既にご来店頂いてるお客さまとの信頼関係
を最優先に考えています。
(目の前の、既に担当させてくださっているお客さまとの信頼関係が、最優先)
私も人間。稀にミスはあります。(開き直ってるわけじゃなく)
ミスが起こった時に、お客さまってどうして欲しいのでしょうか?きっとそれぞれあると思いますが、
- 単に謝って欲しいわけじゃない
- お詫びの品が欲しいわけじゃない
- お金を返して貰えば良いってわけじゃない
と思います。
これをすれば大丈夫というものはないですが、最低限
こちらの非を認め、少しでも納得のいく原因の説明と、今後の具体的な対策を聞きたい
ものだと思います。
私がお客さまの立場だったらそうですから。その姿勢次第ではまた次もお願いしようと感じて頂ける可能性もあります。もう無理って時もあるでしょうが…。
隠して、言い訳ばかりは完全にアウト。
この記事をまとめることで、
自分が同じミスをまたしないように
そして、
お客さまに少しでも安心して頂き、引き続きご利用頂きたい思いがあります。せっかく頂いたご縁を台無しにしたくない。
ミスしてサヨナラじゃない。必ず次に活かす。
最後に、この度のお客さま、
「私の髪質のせいで、お直しまでして頂いて逆にすみません…。ありがとうございます」
と、笑顔でお帰りくださりました。なんというお心の広さでしょうか…。私のミスなのに…。
かねてからたくさんのお客さまの寛大さに救われつつ、自分がお仕事させて頂けている感謝の気持ちを忘れずに精進します。
もちろん、成功率100パーセントを目指す努力は前提として。次は一発で決める。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
書いてる人
かわなべひろき(美容師、ギター講師)