晩御飯に肉じゃがを頬張りながら、肉じゃがのルーツにまつわるエピソードを思い出していました。
明治期、日本海軍を率いた東郷平八郎が、イギリス留学時に食べたビーフシチューの美味しさを忘れられず、軍にいるコックに作らせたのが肉じゃがのルーツ(起源)なんだとか。
つまり間違ったビーフシチューとして作られたのが、有史以来初の肉じゃがってこと。
言われてみれば確かに、味は全く別物ながら、具材も色も似ていますよね。
ビーフシチューを期待し待つことしばらく、テーブルに出された料理を見た東郷平八郎。
「いやいやいや、これぜんっぜんちゃうやん。色の深みがまずちゃうもん。僕イギリスで食べたんもっと茶色が深かってん。秋のコーデにピッタリな感じの茶色言うたやん?それにな、スープのシャバシャバ感もぜんぜんちゃうやん。匂いもイギリスで食うたんもっと…
これうまぁあっ!!!!」
一口食べしなに手のひら返しで肉じゃがを賞賛したことは、想像に難くないですね。
(あまりのうまさに脱帽している東郷)
でも、この時、命ぜられたコックはとんでもないプレッシャーだったのではないでしょうか。
見たこともないビーフシチュー。
海軍トップからの直々のお達し。ヘタなもの絶対作れない。ミスは許されない。でも、そもそも正解が分からない…。
時代が時代なので命がけだったかもしれない。料理人の勘をフルで動員しての創作だったに違いありません。いやー感服。
僕は、物事のルーツを調べるのが結構好きです。
色々調べていると、ルーツにもイケてるものと、そうでないものがあります。
この肉じゃがのエピソードなんて、すっごく物語を感じさせるイケてるルーツですよね。クラスでもそこそこモテるタイプのルーツ。デニムと無地のシャツだけでオシャレに見せられるタイプのルーツです。女子に壁ドンしても許されるレベルのルーツ。
一方で、ギリシャ哲学の起源は、奴隷制度によって暇になった支配階級の人々の暇つぶしと言われます。確かに、「生きるとは何か」みたいな哲学的考察って基本暇じゃないとしませんよね僕らも。悪しき奴隷制度や暇人がらみの起源がルーツなんて、ややイケてないですね。
バイクのマフラーの音不必要に大きくしがちなルーツですよね。若いのに優先席で寝たフリするルーツ。友人の成功に祝福より嫉妬が勝るタイプのルーツです。もうええて。
肉じゃが食べながらそんな事を思い出していました。モノにもヒトにもルーツあり。
そのあと嫁さんと「過保護のカホコ」の最終回見てたんですよ。カホコが結婚式の場で、自分の家族みんなに向けて、
「この中の誰一人欠けても、今のカホコはありせんでした。ありがとう。」
と、自分のルーツである家族に感謝するシーンが印象的でした。
それにしてもまさか、カホコの最終回においてもルーツの話が持ち上がるとは迂闊だったので、今夜は少しルーツが過ぎるなぁ、と。
このペースだと明日の朝にルーツが残りそうなので、もうこれくらいにしとかないと。
嫁さんが床についた後、僕の1日の締めのお楽しみタイム。音楽を聴く時間。
プレイリストをシャッフルでかけたら、一発目にブラインドブレイクというブルースマンの曲が流れました。これぞ、ルーツミュージックってヤツ。
またか…ルーツが過ぎるな今夜は。
明日大丈夫かな…そんな夜です。
(完)
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