前髪が…
パサつく、浮く、まとまらない、重すぎ、スカスカ、
一口に「失敗」と言ってもさまざまです。
自分で切ったならまだしも、美容室で大失敗した…という方も中にはいらっしゃるのでは。
(ん…?前髪、パサついてる気が…)
今日は前髪のメカニズムについて。
美容師でこれを押さえていない(としか思えない前髪のお客さんがたまに来る)人もいるので、その人に当たってしまったあなたは…。
失敗しない前髪づくりにはきちんとしたロジックがあります。では、見ていきましょう。
前髪ってこうやってできてる
前髪の毛は一般的にこのエリアから生えています。
たとえばこのお人形さんだと、
これを上から見るとこう、
オレンジの三角で囲んだエリアから生えてる髪が、前髪になっています。
この三角形の形やサイズは、一人一人、髪の生えてる向きの違いで変わってきますが、どんな人でもこんな風に三角形をしています。
んでここからが大事
エリア内の「層」ごとの役割
上記の三角エリアを大まかに横に3つの層に分けます。
これを、
拡大して、3つの層ごとに色付けするとこう、
上から、青、緑、赤に、分けてみましたが、色分けした層それぞれから生えてる髪に異なる「役割」があります。
それは、
- 青 ツヤ感(パサつき)、浮き
- 緑 全体の厚み、浮き、全体の透け感や束感
- 赤 パッツンの程度、毛先の透け感や束感
に、大きく関わってきます。
あくまでも主にこれらに関係するという意味。
実際は髪質や生え方によって、役割がそれぞれの層にまたがっています。
では、3色それぞれどうしてそんな役割があるのかを補足していきます。
青の層
先ほどのお人形さん、横から見るとこんな感じ。
これを拡大して、「層ごとの髪」まで色分けするとこう、
(おおまかにね…)
青の層は、おもに
- ツヤ感(パサつき)
- 浮き
に関係すると言いました。
ここは上からかぶってくる毛なんです。言うなれば前髪の「ふた」。
例えばこのエリアを梳き過ぎて、短い毛をたくさん作っちゃうと、こんなことが起こります。
特にハリコシ強い髪の人は、この短い髪の飛び出しが、見た目のパサつき、浮きの原因に。
逆に、しっかりと「フタ」として機能させれば、浮きを押さえたり、ツヤ感を保つことができます。
では次に、
緑の層
改めて写真を、
緑の層は主に
- 全体の厚み
- 浮き
- 全体の透け感や束感
に関係します。
ここは、サンドイッチで言うと具の部分なんですが、
分厚いカツが挟んであるか、薄っぺらいハムが挟んであるかで、サンドイッチって厚み変わりますよね?
(カツサンド食いてぇ…)
それと同じで前髪もこの、青と赤に挟まれた具の部分である緑の層の毛量をコントロールすることで「全体の厚み」を調節できます。
それが全体の「透け感」や、「束感」をも左右します。
ただし、気をつけないといけないのが、青の層同様、ハリコシ強い髪は、梳きすぎると短い毛が飛び出して「パサつき」、上からかぶってくる毛を持ち上げて「浮き」の原因にもなります。
かなり大げさに図にするとこう
バランスを見て具の量をコントロールすることが大事です。
では最後に
赤の層
ここは写真の通り
前髪の先端、つまり毛先になる髪です。
赤の層は主に
- パッツンの程度
- 毛先の透け感や束感
に関係します。
それぞれ、すきバサミを使ったり、ハサミを縦に入れたりして調節します。
もちろん方法は他にいくつもありますが、その細かいところまでは割愛します。
ちなみに、赤の層は、「浮き」や「パサつき」には「大きく」は干渉しません。
では、まとめに入っていきます。
おわりに
たかが前髪、されど前髪。
前髪は印象を大きく左右しますよね。
カットするときに、この記事でまとめたことを、お客様ごとに
- くせ
- 毛の生えてる向き
- ハリコシの強さ
- 毛量
など見極めでカットする必要があります。
つまり、繊細な判断と技術が必要。
これらをきちんと踏まえることで、あなたがこれまで悩まされた、パサつき、浮き、スッカスカ、などを克服することができます。
(そりゃ、自分で上手く切るの難しいハズだわ…)
たまに原因がカットではなく、ヘアサイクル(髪の生え変わりの周期)の乱れ、強いくせ、などによる場合もありますが、それは例外的です。
また、素材によっては、「つくることができない前髪」もあります。
(たくあんでキムチチャーハン作れないのと一緒)
その場合もご説明差し上げますので、これまでどこに行っても前髪の悩みが尽きないと言う方はご相談ください。
では、最後までありがとうございます。
書いてる人
かわなべひろき(美容師 ギター講師)