石けんで髪の毛洗ってるんですよ。
無添加で化学物質入ってないから、良いって聞いたんで。
と、初ご来店のお客様から。
石けんでの洗髪ってどーなの?今日は私見をまとめます。
(石けんの洗髪ってどうなの〜?)
結論から
オススメしません
その理由は石けんは
- 洗浄力がとても強い
- 髪が傷みやすい
- 手触りギッシギシになる
からです。
補足します。
(マジか…めっちゃ、石けんでゴシゴシしてる…)
洗浄力がとても強い
石けんは、数ある界面活性剤の中でもトップクラスの洗浄力を持っています。
「は?きちんと洗えて良いんじゃないの?」
と、思ったあなた。鋭い指摘ですね。
しかし、実はむしろ洗い過ぎは良くないです。
肌の表面には「皮脂膜」があり、これには
- 保湿
- ばい菌などからのバリア
などの大切な働きがあります。
ところが、石けんの強い洗浄力で、皮脂を根こそぎ奪い取ってしまうとどうなると思いますか?
(皮脂が無くなると…?)
- 乾燥によるフケ
- 乾燥によるかゆみ
- その他、肌荒れなどのトラブル
のリスクが高まります。特にお子様や敏感肌の人は注意。これを防ぐ意味が、まず1つ目です。
広告の影響で「皮脂は悪者、要らないもの」というイメージが先行しがちですが、本来はお肌の健康を維持するために必要なんですね。
(皮脂こそ天然の保湿オイルっちゅーもんやでしかし!)
髪が傷みやすい
固形の石けんは「アルカリ性」の物質です。これに例外はありません。
「弱酸性石けん」と聞くことがありますが、長くなるから説明は割愛しますが、とにかく
石けんは、どれも例外なくアルカリ性
です。
髪表面のキューティクルを繋いでいるCMCという物質は、アルカリにさらされると溶けてしまいます。簡単に言うと、傷む。
傷んだ髪は、
- カラーやパーマの仕上がりへの悪影響
- パサつき
- ごわつき(硬くなる)
これが2つ目です
(美容室の仕上がりにまで影響するなんて…)
手触りギッシギシになる
これも、石けんのアルカリ性によるものです。
先の、キューティクルをつなぐ物質が溶けると同時に、キューティクルが開いたままの状態になりやすい。
つまり、
髪の毛表面が毛羽立ったような状態になり一本一本の摩擦が起こりやすい。そのため、ギッシギシで指通りが悪くなります。
これが3つ目。
(ギッシギシはやだよぉ…)
キューティクルって何?
というあなたは、こちらの過去記事をご参考ください。
逆に石けんの良いところって?
- 洗浄力が強い
- 環境に優しい
洗浄力の強さは「良くも悪くも」と言ったところで、
例えば、手がものすごい汚れた時の手洗いだとか、運動の後にたくさん汗かいてさっぱりしたい時のなど、
- 普段よりしっかり洗いたい
- ガンコな汚れを落としたい
時には大いに役立ちます。
環境に優しいとは、
石けんの成分は、バクテリアに分解されて自然に還りやすい、つまり、地球環境に優しいと言えます。
また、肌に残留したとしても成分の残留によるお肌への負担が少なくて済む、ということ。
(もちろん、石けんにもメリットはある)
ただし!これらを、先に挙げた、
「皮脂を落とす」「アルカリ性」
によるデメリットと天秤にかけた時に、やはり普段の洗髪は、シャンプーの方が断然オススメと私は考えます。
(日常使いは、シャンプーがオススメ!)
おわりに
ちまたに溢れる石けんやシャンプー含めた製品、
- 無添加
- オーガニック
- 天然成分配合
- 合成界面活性剤不使用
など、いかにも体に良さそうなイメージの広告ってありますね?
しかし、だから安心!だから体に良い!だから健康的に使える!と、安易に結論づけられるものではありません。それらはあくまでイメージ。
時に私も「敏感肌の人に」と向けられた商品でも成分を見て、「うそーーん!こ○す気ですやーん!」となることもしばしばあるくらいです。
ご注意下さいまし。
それでは、最後まで読んでくださりありがとうございます。
書いてるひと
かわなべひろき(美容師 ギター講師)